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THAADとは?pac3との違いと日本配備を考察!価格は超高額か?

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『THAAD』と呼ばれるものを皆さんは知っていますか?

サードと読み、色々と世間を騒がせる北朝鮮の弾道ミサイルにを迎撃できるシステムとして、韓国に配備されていますよね。

一時期は、日本配備も噂されましたが、配備は見送りになりました。

しかし、肝心の韓国は中国の圧力を受け、『THAAD』のこれ以上の配備はしないことはおろか、いずれは『THAAD』撤去も諦めていない…

このような状況で、再び日本配備の可能性も見えています。

ちなみにこの『THAAD』、『pac3』とは何が違うのでしょうか?

当記事では、『THAAD』について、『pac3』との違いや、日本配備の可能性などについて、紹介していこうと思います、

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『THAAD』とは?

まずは、『THAAD』について説明しようと思います。

『THAAD』とは、正式には『THAADミサイル』となっていて、

終末高高度防衛ミサイル

を略したものとなっています。

アメリカ陸軍が開発し、防衛範囲は半径200kmと言われています。

もともとは、戦域高高度防衛ミサイルと呼ばれていて、クリントン政権下でその開発が進んでいました。

『THAAD』の役割は、

敵弾道ミサイルが航程の終末にさしかかり、大気圏に再突入の段階で迎撃・撃破する

というシステム。

つまり、成層圏よりも上の位置で迎撃をしようという考えから生まれたシステムですね。

中距離弾道ミサイルなどになってくると、速度が速いので成層圏内での迎撃が難しくなります。

また、超高速で飛翔する弾道ミサイルだと、近接信管による爆発で破片を当てるという方式では損傷させる事は不可能です。

『THAAD』は、上記の方法よりも、直撃して確実に破壊する事を目的にしたhit-to-kill方式が採用されているのも特徴の1つですね。

大気圏外での交戦に特化させ、成層圏よりも上で確実に破壊させることが、主な『THAAD』の機能ということになります。

ちなみに、迎撃システムとしては、『ペトリオットミサイル』の『pac3』もあり、これは日本にも配備されていますよね。

具体的に、『THAAD』と『pac3』、何が違うのでしょうか?

 

『THAAD』と『pac3』の違いは?

『THAAD』も『pac3』も、どっちもミサイル防衛システムなら同じでは?

と思う人もいるかもしれませんが、実は、『THAAD』と『pac3』では、性質が全く異なります。

確かに、『THAAD』も『pac3』も、終末航程であるターミナル段階で使用されるミサイルであることは同じです。

しかし、『THAAD』と『pac3』は射程が大きく異なるのです。

まず、『pac3』の特徴としては、小型で展開しやすい代わりに射程は20km程度とかなり短く、

都市や基地といった施設を守るためのミサイルで、いわゆる最終防衛ラインに配備されるミサイル

というのがいいでしょう。

pac3ミサイル

射程が短く、迎撃までの時間はかなり短いので、配備場所、タイミングを間違えると最終防衛ラインは壊滅してしまいます。

終末航程の中でも、本当の本当に最後といえる場所専門と言っていいミサイルが、『pac3』なのです。

また、『pac3』にはもう1つ欠点があります。

迎撃相手が核ミサイルだった場合、『pac3』は大気圏内でミサイルを破壊するので、

核弾頭に積まれた放射性物質が地上に降り注いでしまう

というリスクを抱えています。

 

さて、一方の『THAAD』ですが、同じく終末航程での迎撃システムではあるものの、こちらは射程が『pac3』よりも長いです。

そのため、大気圏外での迎撃が可能になります。

そして、大気圏外であれば、放射性物質は大気圏突入時に燃え尽きるので、放射性物質が降り注ぐ心配がないのも、大きな特徴の1つですね。

ただ、運用できる場面はそれほど多くなく、あくまでも大気圏に突入する直前のタイミングを狙うしかないのが『THAAD』の現状。

アメリカ軍の運用方法としては、

宇宙空間で『THAAD』を使い迎撃→撃ち漏らしたものを『THAAD』で迎撃→最終段階で『pac3』

という三重構造の防衛システムに使うという感じですね。

では、日本における『THAAD』はどうなっているのでしょうか?

配備が検討されたという話自体は聞きましたが、その後見送りになっていますよね。

なぜ、日本では『THAAD』が配備されないのでしょうか?

 

『THAAD』の日本配備は?

『THAAD』は現在、アメリカと韓国にしか配備されていません。

日本でも、一度は検討されたものの、もう一方の検討案であった『イージス・アショア』の方を選びました。

『イージス・アショア』とは、

イージス艦に搭載されている迎撃ミサイル『SM3』の垂直発射台、さらには高性能レーダーを地上に配備したもの…

要するに、物凄いざっくりした説明をすれば、陸に揚がったイージス艦ですね。

大雑把過ぎる説明ですが、イージス艦のイージスシステムを陸でも利用できるようにしたものと考えればOKです。

これにより、『SM3』を地上にも配備できるようになったということですね。

ちなみに、『SM3』は『スタンダード・ミサイル3』の略で、

宇宙空間を慢性飛行しているミッドコース段階に入ったミサイル迎撃するもの

として、イージス艦に配備されているシステムです。

そのため、射程200kmの『THAAD』と違い、射程は約2000km。

『THAAD』と比べると、圧倒的に射程が長く、これを地上配備できるならば、『THAAD』より『イージス・アショア』の方がいい!となったわけですね。

しかし、日本にはイージス艦が6隻あるため、わざわざ『イージス・アショア』を選ばずとも、『THAAD』でよかったのではないでしょうか?

まぁ、いくらイージス艦が6隻あると言えど、6隻が常に迎撃に適した場所にいるとは限りません。

いつでもスタンバイしておけるという意味では、地上配備型の『イージス・アショア』のほうがいいような気もします。

運用も陸上自衛隊がおこなう方針みたいですから、海上自衛隊の負担も減りますしね。

なぜ、日本は『イージス・アショア』を選び、『THAAD』を配備しなかったのか?

 

その理由はいくつかありますが、まず1つに、費用の問題があったといいます。

『THAAD』の費用は、一概にどうこうと言い切ることはできませんが、配備自体は…

1砲台で10億ドル以上

とかなり高コスト。

一方の『イージス・アショア』は、2基で7億ドル程度と、配備自体は『THAAD』よりも低コストです。

ただ、『イージス・アショア』は運用費がかなりかさみます。

『THAAD』などよりも大型のミサイルである『SM3』を使いますし、さらにはレーダーと、そのレーダーを運用するシステムも必要になるわけで、運用費も含めたら『THAAD』とどちらが高コストかをはっきりさせるのは難しいでしょう。

ただ、総合的に見てコストが安いと判断したので、『イージス・アショア』にしたのでしょうし、低コストなのを考えると、

『イージス・アショア』>『THAAD』

となったのでしょうね。

日本もアメリカほどの国防費があれば、『THAAD』の配備も考えたのでしょうが…

 

さらにもう1つ、『THAAD』よりも『イージス・アショア』を選んだのには、対北朝鮮を想定したものだからという理由も考えられます。

まず、『THAAD』が配備された韓国と、日本の違いを考えてみましょう。

韓国からしたら、北朝鮮はすぐ目の前にありますが、日本からしたらそうではありませんよね。

基本的に、日本へ向けられるミサイルというのは、中距離弾道ミサイルであり、宇宙空間を高速で飛んできます。

そのため、『THAAD』よりも、ミッドコースで迎撃できる『SM3』を配備した方が対北朝鮮においては有利に働きます。

こういった作戦上の問題もあって、『THAAD』の日本配備を見送り、『イージス・アショア』を選んだのでしょう。

ただ、『SM3』を撃ち漏らした場合、いきなり最終防衛ラインの『pac3』しかミサイル防衛手段がないというのはやや不安ですよね。

本来であれば日本は、『イージス・アショア』を導入したうえで『THAAD』も導入する…

という両方の導入で、アメリカと同じ三段構えの防衛システムを作ろうとしたのでしょうが、先述の通り国防費がありません。

日本としても、『THAAD』配備はかなり悩んだのだと思いますよ。

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まとめ

今回は、ミサイル防衛システムの『THAAD』について、『pac3』との違いや、日本に配備されなかった理由を考察しました。

やはり、『THAAD』は対北朝鮮を想定した場合、『SM3』より局所的な運用になってしまうこと、高コストになってしまうことが日本配備見送りになった理由でしょうね。

ただ、日本にはイージス艦が6隻あるので、『THAAD』を配備してもよかったはず…

まぁ、日本は『THAAD』の運用機会が韓国ほど多くはなりません。

費用に見合った活躍機会のある方を選んだということでしょう。

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watari1

好きなもの:野球、アニメ・ゲーム、特撮 趣味:ゲームに没頭すること、文字書き 座右の銘:『なるようにしかならない』 何をどれだけ貯めていようと、命尽きれば人生は終わり。 終わってしまった過去も、何が起こるかわからない将来も、考えるだけ無駄ではないか? そう考えたことがきっかけで、それなら今を楽しむことだけ考えよう、を信念に日々を過ごすようになりました。 自分の興味関心のある出来事やニュースについて、偏屈者ではありますが、思うままに綴っていければと思っています。

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