長生きすることを望んでいる人は、現在どのくらいいるのでしょうか?
今より環境が整っていなかった時代には長生きしたいのにできない人も多く、長寿は誰しもが憧れるものだったことでしょう。
時が過ぎ、現在では平均寿命も、
- 男性81.09歳
- 女性87.26歳
というふうに
『100年人生』
も決して難しいものではなくなってきました。
しかしその反面、最近では
『長生きはしたくない』
という声も多く聞くようになってきたのです。
とくに、その傾向は若者世代に多くみられており、ニュースにもなっています。
そこで今回は、若者世代を中心に、なぜ長生きをしたくない人が増えているのかを紹介していきます。
改めて生きるということについて考えるきっかけにしてみてください。
目次
長生きしたくない理由1 金銭問題が根深い
長生きしたくない最も多い理由として『金銭問題』があります。
とくに、年金受給額が、かなり下がることが、近年噂されているため、それを受けて、
「年を取ってまでお金に悩まされるのなら、長生きなんてしたくない」
と考える人も多いのです。
国という枠組みで生活していくためには、お金が必要不可欠なものとなってきます。
生きていくための元となるものが無くなってしまうのは、誰でも困りますよね?
無くならないにしてもお金を稼ぐために生きているのではないと考えるのは、人として当然の考えでしょう。
そんな苦しみを抱えながら、ずっと生きているよりは、ある程度、生きられればよいと考える人のほうが多いみたいです。
長生きしたくない理由2 介護問題が残る
人が長生きしていく上でぶつかる問題として『介護問題』があります。
絶対とはいいませんが、人は身体が衰えると
誰かに介護してもらわなければなりません。
今まで出来ていたことが出来なくなり、その分を他の人に手伝ってもらいながら生活することを余儀なくされるのです。
これは生きていく上では、しょうがないことでもあるのですが、長生きをしたくないと考える人の中には、
『誰かに介護をさせて迷惑をかけたくない』
と考える人もいるようです。
『人に迷惑をかけるくらいなら、長生きせず早めに人生を全うしたい』
という考えなのですが、これには様々な要因が含まれています。
その1つが『少子高齢化社会』です。
平均寿命が伸びた関係で、老後の生活負担を今を生きる若い世代が引き受けている現状があるのです。
介護は、かなり分かりやすい例であり、老後に、身体が不自由になった人を若い世代が介護をしながら働いていることはよくあります。
この二足のわらじを履いていると、次に出てくる問題として『介護疲れ』があります。
家では介護、会社では仕事の板挟みで心身ともに疲弊しきってしまい、最悪自ら命を絶つ人まで出てくるのです。
老人ホームなどの施設に入れている人も多くいますが、
100%安心ということでもありません。
認知症などを発症している人は、老人ホームから無断で外出し行方不明になることもありますし、施設員から虐待を受ける場合もあるのです。
認知症はまだしも、施設員が虐待をするのは言語道断です。
しかし実際に、ニュースにもなっているあたり
これが現実です。
これらの対応を行うのも若い世代の人が多く、実際に自分が同じようになるのをおそれていることも、長生きしたくない要因になっているようです。
長生きしたくない理由3 生きる意味を見出せない
年金に介護と現実的な問題を紹介しましたが、それだけが原因ではないようです。
中には、
『生きる目標が何もない』
という人もおり、
人生そのものに価値を見出せない
という問題が起きているといいます。
毎日同じように会社に行き、年中無休で働くけど、収入はほぼ全て生活費などで消えていく。
- 負の連鎖から逃れられない自分
- 周囲の成功している人
を比べて、自分の価値について考え、さらに落ち込む。
とくにやりたいと思えることもなく、やりたいことが見つかっても現在の生活を壊してまでは実行できず、結局は同じことの繰り返しになる。
このような生活を送っている人は、決して少なくないでしょう。
このような状態で「目標を持て!」と言われてもそれは無理。
というより、心がついていかない状態なので、次第に生きることすら辛くなってくるのです。
こうして、やがては生きる意味を見出せなくなり、長生きなんてしたくないと考えてしまうのでしょう。
現実が長生きしたい願望を消している
長生きしたくない人が、かなり多いですが、
決して全ての人がそう思っているわけではありません。
『長生きをして楽しい人生を送りたい』
と考えている人も確かにいるのです。
ですが、ここで問題になってくるのが、目の前にある『現実』です。
先程から紹介している、
- お金
- 介護
- 生きる意味
などは、この現実を表す良い例かもしれません。
誰しも最初から現実だけを見ていたわけではないでしょう。
子供のころには、
『いつかお金持ちになって自由な生活を送れる』
『スポーツ選手になって有名になる』
などなど。
自分の理想像を、友人などと語り合っていた人もいたと思います。
夢を持つこと自体は、とても素晴らしいことですが、大人になるにつれ、夢だけではなく現実も見なくてはいけないことに誰しもが気づいてきます。
そして将来の生活を想像して、
- どれくらいお金がかかるのか
- 老後までに何をしなければならないのか
などなど。
最終的に、自分がどのような人生を送るべきなのかを考えていくでしょう。
その過程で
『長生きしたらお金も迷惑もかかる』
という結論に至る場合が、多くなっているのが現状なのです。
その結論が、長生き願望を消してしまう原因の1つになっているといえるのではないでしょうか?
『生きる』を人生の目標にするということ
これまでは『長生きしたくない人の心理』について紹介しました。
当てはまる人も、かなりいるのではないでしょうか?
ですが、これだけではあまりにも希望がないので、ひとつ希望が生まれる話をしたいと思います。
それは、
『生きるを人生の目標にすること』
についてです。
「人はなぜ生まれてくるのか?」
この質問に、誰もが納得できる回答を出来る人は、おそらくこの世にはいないでしょう。
これは限りなく持論に近いものになりますが、人が生まれてくる意味、それは、
『生きるため』
ということを、ここで言っておきます。
人に限らず生き物は生まれたときから『生きるため』に生活しています。
この生きるが根底にあり、
『子孫の繁栄』
『豊かな生活』
などは後からついてくるものに過ぎません。
また『生きる』を人生の目標にしたとき、誰しもがすでに目標を達成していることとなり、それと同時に目標向かって取り組んでいる状態ができるのです。
目標達成と同時に目標に取り組めるということは、本来これだけで幸せなことと言えるでしょう。
長生きすることに希望を見い出せない気持ちも分かります。
でも、『生きる』という目標を持てば、長生きするしないは贅沢な悩みに見えてきませんか?
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まとめ
『日本の若者が長生きしたくない心理を紹介!理由は年金や介護問題?』、いかがでしたか?
今回のまとめとして、
『長生きしたくない心理は人それぞれだが、まずは長生きできる環境を喜ぶことが大事』
ということになります。
日本で暮らす若者が長生きしたくない心理は様々。
その心理は、紹介した内容やその他多くの理由があることだと思います。
ですが、この心理状態になれることは、ある意味で幸せなことだと知ることも重要ではないでしょうか?
幸い、日本は世界でも有数の長寿国となっています。
ですが、それまでの歴史に
『生きたくても生きることができなかった人』
がいたことを知ることで、人生の見え方も変わってくるでしょう。
世の中は、理不尽なことや辛いことで溢れています。
たとえそうだとしても、生きることに後ろ向きにならないよう、少し意識を変えることで、長生きしたくない心理も変わってくるかもしれませんよ。