最近、スポーツ界はプロアマ問わずコーチや監督、各スポーツ団体の不祥事が立て続けに起きているように感じます。
そんなスポーツ界に、またもや不祥事が発覚しました。
今回発覚したのは、アマチュアボクシング。
アマチュアを統括する日本ボクシング連盟が、助成金の不正利用をしたり、山根明会長が審判に圧力をかけ、八百長試合をおこなったというのです。
現在、この問題の渦中にいる山根明会長とは、一体どんな人物なのでしょう?
当記事で、日本ボクシング連盟の山根明会長について、経歴や評判、八百長問題などの不祥事をまとめました。
日本ボクシング連盟会長・山根明の経歴
まず、山根明会長がどんな人物なのかを掘り下げていきます。
山根明のプロフィール
生年月日:1939年10月12日(78歳)
出身地:大阪府堺市
役職:日本ボクシング連盟会長(2012年から終身会長)、日本大学客員教授
もう何と言えばよいのか…。
見た目からしてアウトですよね。
完全にそっち方面の人にしか見えない、道端で1対1では絶対に遭遇したくない風貌をしています。
山根明会長の経歴を調べると、それほど有名ではないのか、全く経歴が出てきません。
日本ボクシング連盟の役員紹介ページは、404エラーになっていて閲覧できませんし、Wikipediaに載っているわけでもありません。
が、しかし、最近では2018年4月から、
あの日大の客員教授に就任
しています。
しかも、就任先が危機管理部なのだとか…
日大の田中理事とのツーショットがあるほど、二人の仲もいいみたいですね。
類は友を呼ぶというのは、まさにこういうことなんだなと実感させられます。
日本ボクシング連盟のホームページでは、
『日本大学 客員教授就任について(報告)』
というタイトルで、その時のことが記されていて、2018年7月31日現在でも、このタイトルで検索すると該当ページが一番上に出てくるのですが、なぜかそのページは削除されています。
一度は発表した情報なのに、今知られると何か不都合なことでもあったのでしょうか?
さらに山根明会長の経歴ですが、スポーツライターの小林信也さんによると、
ご自身はボクシングの経験はないのではないかと。
90年代から世界のボクシング連盟の常務理事という形で10年近く活躍されて、そういうところで人脈を世界的に広げられた。
アジアの役員も務められてた。
とのこと。
また、アマチュアボクシングの監督を19年間も務めていて、その後2011年になると、
選手が主役
をモットーに掲げ、日本ボクシング連盟の会長に就任しました。
実際、このモットー通り、最初は選手のために尽力し、
- プロとアマチュアの選手の関係を改善
- 国際試合に選手を派遣する
- 国際大会への出場権をかけた選定試合を開催
など、アマチュアボクシング界に多大なる功績を残し、その功績から、終身会長になったのです。
当時、内部抗争で全く機能していなかった日本ボクシング連盟の改革に成功したのです。
とくに、プロとアマチュアの関係を改善したのは、称えられるべき功績でしょうね。
認められていなかったプロボクサーのアマチュア復帰を認めたり、アマチュアとプロの交流を認めたのも、この山根明会長の功績の1つです。
そのため、アマチュアボクシング界からの評判は、会長に就任した当時は非常に良かったと言えるでしょうね。
ただ、どれだけ功績を残した素晴らしい人でも、その地位に長く居座り続けると驕りが生じるものです。
自分が偉いと思い込み、自分の都合のいいような横暴を続ける恐怖政治を実行。
その結果、都道府県連盟の幹部や、元五輪代表選手ら333人から告発を受けるような事態になってしまいました。
山根明会長の八百長や助成金不正流用問題
日本ボクシング連盟に対し、日本ボクシングを再興する会が、JOCなどに対し、告発状を提出したことを明らかにしました。
この告発状には、実に13もの項目に及ぶ日本ボクシング連盟の腐敗ぶりが記されていました。
- アスリート助成金の不正流用の教唆および隠ぺい
- 試合用グローブ等の不透明な独占販売
- 公式試合における組織的な審判不正
- 山根会長の暴行疑惑
など、あらゆる部分で不祥事を起こしているみたいですね。
中でも、山根明会長が直接関わっているものがいくつかあります。
たとえば、アスリート助成金の不正流用の教唆および隠ぺいについて。
これは、2015年に起きました。
2016年に開催された、男子ライト級のリオデジャネイロ五輪代表になった成松大介選手に対し、日本スポーツ振興センターから240万円の助成金が送られました。
しかし、あろうことか、山根明会長は、成松選手への助成金を、
別の2選手にも分配
するよう命令したのです。
成松選手は、当時おかしいと思ったようですが、告発状にて、
自分以外に分けるのはおかしいと思いましたが、山根会長は
『自衛隊を勝たせないぞ(成松選手が自衛隊体育学校のため)』
『代表から外すぞ』
などとコーチに言っているという話を聞いたことがあるので自分が勝てなくなると思い選手生命の恐怖から断ることができませんでした。
と語り、結局、2選手に80万円ずつ送金してしまいました。
その後、理事と副理事から、
人に言わないで。
(助成金は)何に使ってもいい。
女に全部やってもいい。
自分の意思で分けてやったということにしてほしい。
会長の命令でやったとなるとおかしくなる。
本来の趣旨と違うとなり(助成金が)セーブされる。
などと圧力をかけられたことも告発しています。
この理事と副理事、何とも醜い言い訳ですね。
「女にやってもいい」なんて…助成金ならぬ女性金ですか、などと笑えるわけもなく。
ちなみに、朝日新聞が成松選手に取材したところによると、その後、山根明会長から160万円送金されたそうです。
一応、成松選手が本来貰うはずだった160万円は、ポケットマネーから返してもらえたようです。
とはいえ、助成金の不正流用には変わりありません。
次に、山根明会長は八百長までおこなっていたことが明らかになりました。
告発状によると、山根明会長は、
全国大会の会場で審判に対し、山根明会長が特定の選手を負けさせるようにジェスチャーや名指しで要求した
と、完全なる八百長行為をしています。
詳細を説明すると、まず、全国大会の決勝前の審判ミーティングで、山根明会長が片方の選手のボクシングスタイルを
「評価してはならない」
「世代交代だ」
などと言って、この選手を負けさせるように要求。
この発言を聞いて担当審判は、
相手方選手を勝たせなければならないと認識せざるを得なかった。
と告発状で語りました。
ちなみに、指示に従わなかった審判は、その後の試合を担当させない罰を与えられたそうです。
また、以前から、山根明会長が圧力をかけた審判不正の1つとして
奈良判定
と呼ばれる八百長問題があります。
これは、奈良県の選手に有利な判定がおこなわれるという、試合結果すら山根明会長の意思で決めてしまうという、とんでもない不正行為です。
一例では、2016年の岩手国体で、岩手県の選手と奈良県の選手が対戦をしました。
その時、岩手県の選手がダウンを2度奪って有利に見えたものの、まさかの判定負け。
明らかな不正ジャッジでした。
これが奈良判定です。
なぜ、奈良県の選手が有利になる判定を山根明会長がさせるのでしょうか?
実は山根明会長は、もともとは奈良県連盟の会長を務めていました。
そのため、奈良県の選手が試合をする場合には、奈良県の選手を勝たせるために、既に決まっている審判の入れ替えをしています。
そして、入れ替えられた審判は、告発状によると、
入れ替えられた審判は、己に課された役割が
『奈良県を勝たせる判定を下すこと』
と理解しており、不本意ながらそうせざるを得ない状況に追い込まれております。
と、不正ジャッジをおこなうよう圧力をかけられていたのです。
審判なのだから、そんな圧力に屈するな!
と言いたくなりますが、そうもいかないのが現状です。
なぜなら、山根明会長は、
- 劣勢の奈良が判定負けしたら、直後に審判員を観客の前で大声で叱りつける
- 試合で起用してもらえなくなる
- 審判の昇級試験を受けられなくなったりする
というパワハラまでしていたのです。
審判の人生を人質にとり、奈良県の選手を勝たせようとしていたのです…。
事実、告発状内では、
「A級審判員のほとんどが、奈良の試合に入ると正しいレフリングやジャッジをすることが困難。」
と、山根明会長による圧力の影響が凄まじいことを語っています。
ここまでくると、もはや、やりたい放題の絶対王政。
自らの地元の選手を勝たせたい欲望のために、審判や選手のその後の人生を大きく変えてしまうなど、決して許されない行為です。
山根明会長が平気で、こういう圧力がかけられるのは、やはりボクシング経験がないからでしょうか。
選手たちが、どのように努力して頑張ってきたのか。
それを自身で経験している人ならば、このようなことはしようと思わないはずです。
山根明会長の評判は?
山根明会長の評判ですが、ネット上を調べてみると、以前から悪名が知れ渡っていたみたいですね。
- 村田諒太選手の私物化
- 特定の学校を干す
- 未計上のお金がある
- 協会備品の独占販売によって得た利益を中抜きをしている(今回の告発内容の1つ)
など、多くの疑いが、告発を受ける前からネット上では話題になっていたのです。
また、ボクシングファンの千原ジュニアさんによると、
山根会長にハマっているか、ハマっていないかで大きく左右されるとか、あの大学は山根会長にハマっているからとか、あのコーチがハマっていないからとかということで、いろいろ聞いています。
と、山根明会長のお気に入りかどうかで、待遇が大きく違うことを明かしました。
また、偶然ボクシングを観戦した際、隣に山根明会長がいたそうで、その時は
アマチュアの選手が列をなしてみんなあいさつに来る姿は、異様な感じがした。
と、その支配体制の異様さに驚いたとのこと。
この評判だけでも、山根明会長のワンマン政治がどれほどのものかが伺えますね。
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まとめ
助成金の不正流用、審判への不正圧力による八百長など、あまりにも酷すぎる日本ボクシング連盟の腐敗。
その原因を引き起こしたのは、他でもない、内部抗争で腐敗していた日本ボクシング連盟を立て直したはずの山根明会長が主導していたのです。
もともとはアマチュアボクシング界に多大なる貢献をし、腐敗していた連盟を復活させたはずの人物なのに…。
人間の驕りというものの愚かしさを、改めて感じさせられる不祥事となりました。
この問題は、さらに追及され、悪しき旧体制が刷新されることを望みます。