みなさんは、歌手・イルカさんの『なごり雪』という名曲を知っていますか?
近年では音楽の教科書や卒業ソングとしても歌われるケースがあるので、知っている人も多いと思います。
ただ、この楽曲は彼女が手がけた楽曲ではありません。
元フォークグループ『かぐや姫』のメンバーの一人である、伊勢正三さんが作詞作曲を手がけた楽曲です。
では、
- イルカさんが歌う『なごり雪』
- 伊勢正三さんが歌う『なごり雪』
この二つは、どのような違いがあるのか、また歌詞の意味、イルカさんの現在が気になります。
そこで、イルカさんの現在を追いかけながら、名曲『なごり雪』の歌詞の意味や、伊勢正三さんの『なごり雪』との違いを探っていきます。
歌手・イルカの現在
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miwaさん、大原櫻子さんなど、近年、日本の音楽シーンでよく見られる女性シンガーソングライターたち…。
その先駆者の一人と言っても過言でないほど、ギター一本で、日本の音楽シーンに多大な影響をもたらした、シンガーソングライターのイルカさん。
今でも彼女の名曲である『なごり雪』は、様々なシーンで歌われています。
卒業ソングとして音楽の教科書にも掲載される名曲『なごり雪』
筆者が学生時代、
- 荒井由実さん(現在の松任谷由実さん)の『卒業写真』
- イルカさんの『なごり雪』
の2曲は、音楽の教科書にも掲載された名曲でした。
筆者はユーミンの大ファンだったので、音楽の授業で、『卒業写真』を歌う際には心がウキウキしていたことを思い出します。
また、当時の卒業式などでは、これらの楽曲がよく歌われていた話もありました。
それだけ、当時の人たちに多大な影響をもたらした一曲として、イルカさんの『なごり雪』が定着しているのでしょう。
そんな『なごり雪』をリリースしてから、約42年半が経ちました。
本当に時代の流れというのは、こんなにも速いものかと痛感させられますね。
ところで、この曲を歌っていたイルカさんは、現在、どのような活動をしているのでしょうか。
歌手・イルカの現在は超多忙!
そこで彼女の現在を探ってみると、これがまたかなりパワフルな活動をしているようです。
現在、彼女が活動している肩書としては、
- シンガーソングライター
- ラジオのパーソナリティ(イルカのミュージックハーモニー(ニッポン放送))
- 女子美術大学芸術学部(アートプロデュース表現領域科 客員教授)
- 津山珈琲倶楽部まちづくりアドバイザー やまなし大使
- 着物デザイン・手描き・染め
- 和の世界プロデュース
- IUCN 国際自然保護連合親善大使
- 環境省中央環境審議会 自然環境部会 野生生物小委員会 専門委員
- 環境省地球生きもの委員会 委員
- 国連生物多様性の10年日本委員会 委員
- 環境省地球いきもの応援団メンバー・生物多様性リーダー
- FNSチャリティーキャンペーン
- ストリートチルドレン芸術祭
- 一般財団法人『花の家』評議員
と、14もの肩書をもっているらしく、『イルカの活動』として、公式サイトでも掲載されています。
これを見て、筆者としては、正直、
どこにそんな活動をする暇があるのか?
と疑いたくなるほど、彼女のバイタリティの高さに驚かされます。
親善大使やプロデュース・アドバイザー的な仕事をしている中、教師を務め、作詞作曲を手がけていくわけですから、超多忙と言っていいでしょう。
イルカがテレビ出演できないのは当然
当然、テレビ番組に頻繁に出演している暇などどこにもありませんよね。
よく、
「テレビに映っていない芸能人は干されてしまっている」
という人がいますが、彼女にそんなことを言ったらそれこそ失礼…。
テレビと離れたところでも超多忙で、様々な活動を現在も続けている姿をみて、ただ頭が下がる思いです。
『なごり雪』の歌詞の意味は?
『なごり雪』は、よく卒業ソングなどで歌われることが多いですよね。
それは、おそらく歌詞に込められた『別れ』を象徴とする意味合いがそうさせているのだと思います。
では、イルカさんの『なごり雪』の歌詞の意味を、筆者個人の見解ではありますが、解説していきたいと思います。
『なごり雪』の舞台は東京駅?
まず、この曲の舞台は東京のどこかの駅であることが分かります。
この歌詞の中で、
- 都会から田舎への帰路に立つ者
- 東京に残る者
との別れが訪れているシーンが描かれている様に感じ取れます。
そのことからも、おそらく東京駅が舞台ではないかと。
『なごり雪』は男女の別れの楽曲
さて、そんな東京駅で、3月(もしくは4月頃?)に季節外れの雪が舞う中、この歌詞に登場する主人公は、ある事情を抱えて東京を去ることになります。
その事情は、もしかしたら結婚なのかもしれません。
ある男女が東京で生活しながら恋に落ちていた…。
しかし、一方では親の決めた相手と結婚しなければならなくなり、彼氏と別れて東京を後にしようとしていた…。
サビの部分で書かれている
「今 春が来て 君はきれいになった」
という歌詞の裏側には、そんな事情が隠れているのかもしれません。
いずれにしても、この曲に登場する主人公は、もうひとりの誰かを残し、東京へと旅立ちます。
当時、なかなか新幹線や飛行機など、交通の便が整っていなかった時代を考えると、東京から去ってしまったら二度と会えない…。
そんな予感さえ、よぎってもおかしくないでしょう。
そんな切なさと、東京で楽しんだ頃の思い出をシンクロさせながら、もう二度とその景色を見ることができず、寂しさを募らせた気持ちが綴られている…。
そして、もう二度と会うことができないかもしれないこの状況下で、想いを募らせ別れを惜しみながらも、最後のサヨナラを告げていく…。
その様子が、地面に落ちては消えゆく『なごり雪』になぞらえ、より切なく描かれている…。
そういった意味合いが、この『なごり雪』という楽曲の歌詞に込められているのかもしれません。
なお、この『なごり雪』には、名残りという意味合いも込められているみたいです。
要は、
離れたくないけど、別れなければいけない
という物悲しさをより強調させるための一つの演出なのでしょう。
誰にでも訪れる別れだからこそ共感できる『なごり雪』
このように別れの曲と考えると、『なごり雪』は卒業ソングとしては、最適な楽曲になることが分かります。
そして同時に、実に物悲しく切ない曲であることも見えてきます。
でも、この別れというのは、いろんな形がありますが、誰にでも必ず訪れるものです。
それは永遠の別れだったり、家庭の事情(両親の転勤など)で訪れる友人との別れなど、実にさまざま…。
当然、別れは寂しく悲しいものですが、また違った出会いも訪れるのが人の人生…。
その明暗を、『なごり雪』ではセピア調に描いているのかもしれないと感じると、奥深い味わいを感じることができると思います。
あくまで、この解釈は、筆者個人の見解によるものです。
ぜひ、『なごり雪』を聴く際の参考にでもしてみてください。
伊勢正三とイルカの『なごり雪』の違いは?
最後に、この曲を作詞作曲した伊勢正三さんと、カヴァーしたイルカさんの、それぞれの『なごり雪』の違いを探ってみたいと思います。
基本的に、この曲をイルカさんがカヴァーしているだけの話なので、楽曲そのものが大幅に変わることはありません。
あくまで歌い方や聴き手の感じ方による変化でしかないことは事実です。
その上で、筆者の印象でその違いを言うならば、
余韻の違い
があるのかなと思います。
伊勢正三・イルカそれぞれの『なごり雪』の違いは歌い方
伊勢正三さんの『なごり雪』は、
「きれいになった」
の「なった」の部分などを短く切り、余韻を削っているような歌い方をしています。
一方でイルカさんは、同じ部分でも、短く切ることはせずに、少し延ばした歌い方をしています。
あくまで個人の見解でしかありませんが、おそらくこの余韻には、それぞれ意味が隠されているのではないかと思います。
歌い方の違いで感じられる心情・気持の違い
余韻が短い伊勢正三さんの『なごり雪』は、単純に物悲しさ・切なさをストレートに歌っているのではないかと思いました。
一方、余韻をもたせているイルカさんの『なごり雪』は、二人の思い出を大切にしながら、別れの寂しさとシンクロさせながら歌っている様に感じました。
いずれも寂しいことに変わりはありません。
ただ、寂しさで他のことに手がつけられない状況なのか、前に進むために良い思い出として振り返ることができているのか…。
そんな違いもあるのかもしれないと、ふと感じた次第です。
とはいえ、何度も言いますが、これは筆者が感じた双方の『なごり雪』の違いでしかありません。
きっと、聴き手によって様々な解釈が生まれると思いますし、そこがカヴァーソングの魅力だと思います。
ぜひ、みなさんも、伊勢正三さんとイルカさんの『なごり雪』を聴き比べてみてください。
きっと、いままで以上に『なごり雪』の世界観にハマっていくと思います。
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まとめ
卒業ソングでもよく謳われているイルカさんの『なごり雪』。
歌詞の意味を紐解いていくと、実に物悲しい別れの楽曲であることが伝わり、卒業ソングとして歌われる理由が分かりました。
とはいえ、この曲は伊勢正三さんが作った楽曲で、イルカさんはカヴァーしているに過ぎません。
イルカさんは伊勢正三さんからは、
「自由に歌っていいよ」
と言われていたらしく、多少余韻をもたせた歌い方をしているみたい…。
ただ、その歌い方が、より深みを増し、世に広まったのかもしれませんね。
現在、多方面でバイタリティに活躍しているイルカさん。
今後も多方面で活躍するのはもちろん、いつまでも『なごり雪』の世界観を多くの人に広めてほしいものですね。