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イラン核合意とは?内容とアメリカの離脱理由をわかりやすく解説

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アメリカが、イラン核合意から離脱する

と、日本時間の2018年5月9日に発表をしました。

ヨーロッパの説得は結局上手くいかず、アメリカはイランに対し、厳しい制裁を再開させることとなります。

アメリカとして表向きには、

『欠陥のある合意を続けることはできない!』

としているわけですが、今回、この合意離脱に踏み切った意図には、

"ある国"とトランプ大統領の政治的思惑がある

との見方も強いです。

トランプ大統領が

「腐った仕組み」

と批判し、今回離脱を発表したイラン核合意とは、どんな合意内容だったのでしょうか?

また、なぜアメリカは合意から離脱したのか?

当記事では、イラン核合意について、わかりやすく解説していきます。

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イラン核合意とは?内容をわかりやすく解説!

2015年にイランと欧米の間で結ばれたイラン核合意とは、そもそもどんな同意なのでしょうか?

すごく簡単にまとめると、

イランの核開発をしばらくの間制限する代わりに、各国が経済制裁を緩和する

これがイラン核合意の内容です。

 

では、イラン核合意はどういう経緯で結ばれたのか?

時系列順に解説していきましょう。

 

まず、イランの核開発問題が浮上したのは、2002年頃の話です。

核関連施設で高濃縮ウランの製造を企画していた、またはしている、という疑惑がかけられました。

というのも、イランは医療用アイソトープの生産をするテヘラン原子炉の稼働のため、20%高濃縮ウランの製造を進めていました。

しかし、通常の原子力発電をするのなら、低濃縮ウランでも十分なはず…。

わざわざ高濃縮ウランを用いるのは、

「ついでに原子爆弾の製造を狙っているからではないか?」

と欧米諸国は、イランに対し疑念を抱いたからです。

これにアメリカはすぐさま武力行使をしようとしました。

しかし、平和的解決を目指すEUが、まずは話し合いをしようと提案。

ただ、イランがEUの提案に応じなかったため、

「仕方ない、それなら経済制裁をするしかないね…」

と、欧米はイランに対して経済制裁を実行。

 

しかし、ここで国際情勢は一気に不安定な状態へ向かい、欧米は

「中東の大国であるイランを味方につけた方が、中東が安定するのではないか?」

と考えるようになります。

その原因が、『IS(イスラム国)』の登場でした。

世界各地で暴れまわった『イスラム国』の勢いはすさまじく、アメリカは対策として、イラクの支援をしたのですが…。

わずか1500の兵しかいなかった『イスラム国』に、2.5万人のイラク軍が惨敗

という、兵力でも装備でも下回っていた相手に対して敗戦するという、ありえないような結果に終わり、中東情勢がより不安定になります。

 

そこで、当時のオバマ大統領は、最初はイランに対し、一切の核開発を認めない姿勢を取っていたのに、

「条件付きで核開発を認めるし、経済制裁も緩和するから合意してくれないかな?」

と態度を軟化。

これがイラン核合意に繋がりました。

こうして、イランは

  • 核兵器に転用できる高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを15年間は生産しない
  • 10トンあった貯蔵濃縮ウランを300キロに削減
  • 1万9千基の遠心分離機を10年間、6104基に限定
  • イランが核開発を再開しても、核爆弾1発分の原料の生産に最低1年はかかるレベルに能力を制限する

という核開発に制限をかける代わりに、欧米の経済制裁を解いてもらいました

これが、イラン核合意です。

 

しかし、オバマ政権時代に結ばれたイラン核合意について、トランプ大統領は大統領選挙の時点から『見直し』を公約に掲げていたのです。

そして、その公約をついに実行!

では、なぜトランプ大統領はイラン核合意を破棄し、離脱しようとしたのでしょうか?

 

アメリカがイラン核合意から離脱した理由とは?

アメリカがイラン核合意から離脱を発表した理由…。

トランプ大統領は、今回イラン核合意から離脱した理由を、

「現在の合意の腐った仕組みでは、イランが核兵器を開発することを阻止できない!」

として、

  • イランの核計画が期限付きでしか制限していない
  • 弾道ミサイル開発を制止していない

などの合意の欠陥を指摘しています。

核問題を解決したいなら、完全なる条件での合意が必要なため、このような欠陥合意に参加する必要はないと判断したのです。

もともと、トランプ大統領は公約に掲げていたので、いつか実行するとは思っていましたが…。

 

ただ、筆者としては、根本の理由はもっと違うところにあると思っています。

おそらくですが、今回のイラク核合意の離脱には、もちろん上記の理由もあるのでしょうが、

9月の中間選挙のためのアピールの一環

という理由もあると思っています。

 

では、なぜイラン核合意がアピールになるのでしょうか?

ヨーロッパもアメリカの離脱に懸念を示し、アメリカはさらに孤立しようとしている今回のイラン核合意。

実は、サウジアラビアとともにイランと対立していて、アメリカのイラン核合意の離脱を大いに歓迎している国があります。

そして、その国が、トランプ大統領のアピールの対象となっているのです。

そうです、その国とは…。

イスラエル

です。

ユダヤ人国家のイスラエルは、かねてよりアメリカと親密な関係を抱いています。

イランの核開発は認めなかったのに、イスラエルが核を保有した時は完全無視で容認。

トランプ大統領は、歴代でもかなり親イスラエル派。

2017年5月には、ユダヤ教の聖地『嘆きの壁』を訪問、12月にはイスラエルの首都をエルサレムに認めるなど。

これまでに親イスラエル政策をたくさん実行していますよね。

 

今回のイラン核合意から離脱したのにも、

イスラエルがアメリカの選挙に大きく影響するため、中間選挙前に支持を得るためのアピールである

と考えます。

イスラエルやユダヤ人という言葉を聞くと、すぐ陰謀論と結び付けようとする人がいますが、実際イスラエルはアメリカの政治に大きく関わっています。

  • ユダヤ系アメリカ人は、アメリカに500万人以上、人口の2%を構成
  • ユダヤ系アメリカ人は、ニューヨークなどの選挙で重要な都市部に集中
  • キリスト教福音派の最大勢力『イスラエルのためのキリスト教徒連合』は、トランプ政権に最も近い存在

などは、その典型ですね。

ユダヤ人は、投票や政治資金を通じて、いまやアメリカ大統領選や議会選挙を左右します。

過去には、

  • 元々はイスラエル建国に反発していたトルーマンが、ユダヤ団体の「ユダヤ票を失うことになるだろう」という警告に屈し、一転してイスラエル建国に賛成した
  • カーター大統領がパレスチナ人国家の容認をしたことにユダヤ層が反発、対立候補のレーガンにユダヤ票が流れ1980年の大統領選挙で敗北した
  • 1988年、ブッシュとデュカキス両候補とも、ユダヤ陣営に対するメッセージを送り続けた

など、アメリカの選挙において、いかにユダヤ層の支持が必要なのかがわかる歴史が実際に存在しているのです。

そして、キリスト教福音派はユダヤ人と提携関係にあります。

実質的にユダヤ層と同じ存在になり、必然的に彼らが支持するイスラエルに近い政策をとることが、支持層の確保につながるのです。

実際、白人の福音派信者のトランプ大統領に対する支持率は、約75%とかなり高いです。

エルサレム問題で支持を伸ばしただけでなく、今回のイラン核合意離脱でも、さらにトランプ支持が増えると見込まれています。

 

なぜトランプ大統領がイラン核合意を離脱したか?

その理由を考えると、

イラン核合意を断固として反対していたイスラエルの動きを支持する

という目的があったのではないでしょうか。

トルーマンも、

「アラブの肩を持ったって、票にはならんだろうが」

と発言していたことですし、それだけ選挙にとってユダヤ票が大切になるというわけです。

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まとめ

今回は、イラン核合意について紹介しました。

わかりやすく言えば、

「イランの核開発を制限する代わりに経済制裁を解くよ!」

という合意です。

その背景には『イスラム国』の台頭があったんですね。

しかし合意に、かねてより反発していたトランプ大統領は、ついに離脱を表明。

アメリカ大使館のエルサレム移転、そして今回のイラン核合意の見直し…。

これら2つは、ユダヤ層、そしてキリスト教福音派へのアピールだった可能性は、大いにあると思いますよ。

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watari1

好きなもの:野球、アニメ・ゲーム、特撮 趣味:ゲームに没頭すること、文字書き 座右の銘:『なるようにしかならない』 何をどれだけ貯めていようと、命尽きれば人生は終わり。 終わってしまった過去も、何が起こるかわからない将来も、考えるだけ無駄ではないか? そう考えたことがきっかけで、それなら今を楽しむことだけ考えよう、を信念に日々を過ごすようになりました。 自分の興味関心のある出来事やニュースについて、偏屈者ではありますが、思うままに綴っていければと思っています。

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