2018年のアジアカップ・オーストラリア戦では、ラスト5分の戦い方が、明らかな引き分け狙いでダメと批判される、なでしこジャパン。
現在、その監督を務めているのが、女性初の代表監督として就任している高倉麻子監督。
彼女に対する評価の声は、いろいろあると思います。
とにかくワールドカップの切符を手にしたことは、一定の評価はできると思われます。
では具体的に世間では、高倉監督の手腕は、歴代監督と比較して、どのような評価をされているのでしょうか。
そこで本記事にて、高倉麻子監督と、歴代監督(とくに前監督・佐々木則夫氏)の評価を探りながら、まとめていきたいと思います。
なでしこジャパンの歴代監督
同じワールドカップであっても、男子の歴史と比較したら、女子の歴史は決して深くありません。
しかし、そんな中でも歴史を刻んできた、なでしこジャパン。
1978年に初の代表戦に挑み、その後、約40年。
数々の苦難を乗り越えながら、ワールドカップにも1度優勝するなど、輝かしい栄光もつかんできています。
そんな、なでしこジャパンですが、これまでの歴代監督は、
- 市原聖基氏
- 鈴木保氏
- 宮内聡氏
- 上田栄治氏
- 大橋浩司氏
- 佐々木則夫氏
- 高倉麻子氏
の7名。
その中でも、現在の高倉監督を除き、とくに特筆しなければいけないのは、
- 2011年のワールドカップでの優勝
- 2015年ワールドカップの準優勝
など、輝かしい成績をもたらした佐々木則夫監督のことではないでしょうか。
佐々木則夫監督の戦術・指導方針
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基本的に佐々木監督の戦術は、
守備重視の組織戦術
その部分は、これまでの歴代監督の戦術と大きく違いはなかったように思います。
ただ、これまでの監督との違いは、個の部分も組み込みながら組織としての戦いを求めようとした点です。
その象徴と言うべきか、これまでの監督の指示を絶対という考え方から、
ある程度は選手で考えながら自由にやらせる方針
を取ったところが斬新でした。
それは、ある意味、元男子サッカー日本代表監督であり(ジーコ氏)の考え方にも似ているのかもしれません。
最低限のルールは設けながらも、臨機応変に状況に対応できるように常に選手達で話し合わせながら、対応を取らせるようにしてきたんだとか…。
もちろん、選手達が対応しきれないときは、知らない顔をしながらも、さり気なくヒントを出してくれるなど、監督としてのフォローはバッチリ!
守備的戦術をベースに持ちながら、選手達で意識して組織を創り上げてきた…。
佐々木則夫監督時代のなでしこジャパンの栄光
その結果
2011年ドイツワールドカップ優勝
2012年ロンドン五輪準優勝(銀メダル)
2015年カナダワールドカップ準優勝
を果たしています。
1995年のスウェーデンワールドカップでのベスト8を除き、全てグループリーグ敗退していたなでしこジャパンでは、考えられない結果です。
リオ五輪敗退で評価を下げて勇退の佐々木則夫監督
しかし、2016年のリオ五輪で予選敗退…。
そのことをきっかけに佐々木則夫監督の評価が一変して、勇退という形ではありますが、監督が変わっていく流れに…。
そこで新たに就任したのが、当時、育成年代を指導していた高倉麻子監督でした。
彼女が監督就任してもうすぐ2年が経とうとしています。
果たしてどんな風に変わっていくのか、まだ進化の途中だけに、いろんな意味で楽しみですね。
なでしこジャパン監督・高倉麻子の方針・戦術
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先程もお話したとおり、2016リオ五輪への出場を逃し、勇退という形で退任した佐々木則夫監督に変わって就任したのが高倉麻子監督。
育成年代を除き、女性初のなでしこジャパンの監督に就任されているわけですが、彼女の基本的な戦術・方針はどんなところにあるのか…。
では、簡単ながら高倉麻子監督が、どんな監督なのか紹介していきましょう。
高倉監督の基本的思考は、
個を活かしながらも戦う事のできる選手で構成されたシステマティック的思考
と言う印象を受けます。
攻撃寄りでもなく、守備寄りでもなく、その辺のところは臨機応変に対応し、組織として戦い抜く…。
だから、選手に対して求めるものは、
佐々木監督の何倍もレベルの高いもの
と言えるかもしれません。
高倉麻子監督が選手に求める素養
代表監督就任の際の会見で、彼女は、
- テクニックがあってクレバー
- 走れる(常にハードワークができる)
- チームのために戦える
- 代表への思いが強い
と、この4つの要素を持つ選手を求めるとはっきり明言されています。
高倉麻子監督は超負けず嫌い
時折、暴言や怒号が飛び交うほど負けず嫌いで超有名です。
もし、リミットを外して乱暴な態度を取らせたら、ハリルホジッチ監督以上の厳しさと感じさせるかもしれません。
もちろん、ルールでがんじがらめに縛り付けることはしませんが、それくらい勝負に対する想いは、誰よりも強い女性監督と言えるでしょう。
彼女自身、結果のためなら一切の情を捨てることがあり、先日のオーストラリア戦(アジアカップ)のラスト5分も、その表れのようですね。
男子日本代表は、ハリルホジッチ監督を更迭したばかりですが、なでしこジャパンは、このまま高倉監督でうまく結果を出せるのか…。
それは、今後の彼女たちなでしこジャパンに全てがかかっています。
幸い世代も変わりつつありますし、すでに中心選手は、育成年代で、高倉監督の指導を受けた面々が多いです。
それだけに、またこれまでと違ったなでしこジャパンを見せて勝ち続けてくれることを期待したいものですね。
なでしこジャパン監督・高倉麻子の評価は?
なでしこジャパンの現在の監督・高倉麻子監督に対する評価ですが、まさに賛否真っ二つという印象が強く、よくも悪くもあるのが率直なところ…。
やはり、結果が出ていなかったこともあり、その点においては、ハリルホジッチ監督への評価が悪くなった背景と似ています。
選手としては、監督の期待に応えようと、必死にプレイするわけですが、ミスも多く、結果が伴わないことも多い…。
すると、悪循環を生むようになり、高倉監督の場合は今でも批判の矢面に立たされてしまうのです。
周りの声にもぶれない徹底指導
しかし、彼女は冷徹なほどリアリストな一面を持つ印象の強い監督…。
自身もコメントしていたとおり、常に2019年ワールドカップ本戦から逆算して戦略を立てているので、ある程度のことは織り込み済み…。
そのことを承知で采配を振るっているわけですから、賛否真っ二つにわかれようが、そのことに臆することなく監督としての手腕を振るっています。
そこは、ハリルホジッチ監督と合い通じるものがあるようにも思えます。
なでしこジャパンはミスに臆せず戦い抜く強さを持っている…
なお、筆者の意見を言わせていただくなら、ミスが多く叩かれることも多いですが、なでしこジャパンは男子と異なりミスを臆しません。
そのことが、あのオーストラリア戦で感じられたからこそ、彼女らはワールドカップの切符を掴んだのでしょう。
なでしこジャパンが追求する1対1で戦い抜く勝負魂
リアリストらしく、常にクールに勝負に徹し、1対1でも言い訳することなく、戦いきれる…。
そんな集団になでしこジャパンを導く高倉監督なら、2019年のワールドカップでの優勝の確率は、決して0とは言い切れない…。
まだ淡い期待ではありますが、やっと期待できる状況になってきたと言えそうです。
それだけに、いい方向に導いてくれることを高倉監督に期待したいものですね。
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まとめ
女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)の監督を務める高倉麻子監督。
『女ラモス瑠偉』
と称される程、大の負けず嫌い…。
そのため、とてつもなく厳しく見えることもありますが、あくまで結果主義のリアリスト。
何よりも結果にこだわり、クールに見える感もあります。
そのため、ときに謎の采配を奮うと批判されることもありますが、一部ではブレない采配が評価されることもあり賛否両論の模様。
歴代監督とは異なる哲学を持っている部分もありますが、女性初の代表監督として、ワールドカップ本戦の切符も手にしています。
それだけに、彼女の手腕に期待して、なでしこジャパンが、さらに飛躍していく姿を楽しみにしています!