最近のニュースは、築地移転の盛り土の話題で、独占された形になっています。

事の起こりは、2016年9月10日の小池小百合東京都知事の発表です。

「土壌汚染対策として、専門家会議が提案していた『全面盛り土』が実行されていなかった」

というものなのです。

盛り土は、豊洲新市場の一部では行われていたのですが、全面ではなく、建物の地下は空洞(地下室)になっていて、そこには水がたまっていたのです。

その水自体は、それほど毒性の強い物質は含まれていなかったのですが、それよりも専門家会議の提案が無視されて、一部は空洞にされたのはなぜか、という疑問がおきますね。

また、当然ですが空洞化(地下室)されていても、安全は保たれるのかという、疑問もあります。

そこで今回は、築地移転での地下の盛り土問題と、その原因と責任はだれにあるのかを、調べてみることにしました。

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築地市場移転での地下の盛り土問題とは?

まず、築地市場が移転する豊洲市場とは、どこにあるのでしょうか。

その豊洲市場は、〒135-0061 東京都江東区豊洲6丁目6-2 にあります。

東京築地にある築地市場は、開場依頼80年以上も経過し、建物や設備の老朽化が激しく、また駐車場なども狭いので、築地市場から、この豊洲に移転することとなったのです。

そして、この場所は、元は東京ガスの工場で、『都市ガス』の製造を行っておりました

そこでは国の環境基準をはるかに上回る有害物質が、検出されていたそうです。

それは主に、

  • ヒ素
  • 六価クロム
  • シアン
  • 水銀
  • ベンゼン

などです。

とくに発癌性物質のベンゼンは、局地的ではありますが、国の基準値の

43,000倍

というありえないレベルの値となっています。

そもそも、生鮮食品を扱う市場の移転先として、なぜこのような重度の土壌汚染がある場所を選んだのか、それがこの話を聞いて最初に浮かぶ疑問ですね。

卸売市場は、かなりの面積が必要ですが、わざわざそんな物騒な所を選ばすとも、他にも候補地はあったはずです。

この時点で、

『怪しい!』

という言葉が出てきます。

豊洲に築地市場移転を決める理由が、『なにか』特別な理由があったのではないか?

移転先の土地としての適合性や安全性よりも、重要な理由があったのではないか?

どうしても、そのような政治的なキナ臭い考えが、頭に浮かんでしまう次第です。

この豊洲市場への移転の総事業費は、2011年の時点では、約3,920億円とされていましたが、その内、土壌汚染対策費として、586億円が予算に組み込まれています。

さらに2015年3月の時点では、総予算は

5,884億円

まで増大し、土壌汚染対策費は850億円以上にまで、ふくれあがっているのです。

この土壌汚染対策は、専門の有識者による『専門家会議』で、敷地全体に盛り土を行うことが、もっとも有効とされ、それを東京都に提案しています。

その内容は、地表約2メートルの土をとりさり、きれいな土を4.5メートル盛り土した上に、豊洲市場の建物を建てるというものです。

これが平成20年(2008年)7月のことです。

それにもかかわらず、5か月後の12月には別の専門家による『技術会議』では、東京都は建物の地下には盛り土を行わない方針を示していました。

その理由は、建物の地下には、保全や点検のための空間が必要ということですが、その後、技術会議でも盛り土問題はあまり議論の対象にならなかったそうです。

この土壌汚染については、小池百合子氏は都知事選でも安全性への疑問を表明しており、都知事となった後の2016年8月には移転延期を決定しています。

小池百合子知事は、近く発足させる市場移転に関するプロジェクトチームで、安全性などを十分に検証し、また2017年1月に判明するはずの豊洲の地下水の調査結果も考慮して、移転時期を判断すると言っています。

今にしてみると、この小池百合子知事の築地移転延期の決定は、まことに妥当なものだったわけですね。

もし、小池小百合知事がこの決定をしていなければ、2016年11月には安全性に疑問のある場所で、生鮮食品の売買が行われることになっていたでしょう。

恐ろしい話です。

 

豊洲市場の盛り土問題の原因と責任は誰?

今回の件で問題となっているのは、なぜ専門家会議での提案を無視して、東京都は独断で空洞化(地下室化)を推し進めたのか、それによる利益は誰が得るのか、という点です。

豊洲市場の建物地下を全面盛り土をしないことにより、コストは

数十億円から100億円も安くなる

と言われています。

となると、850億円の予算は、仮にコストが100億円減ならば、750億円となるはずですが、予算が縮小されたという話は、聞いておりません。

単純な話、100億円は、一体どこにいったのでしょうか。

また、青果棟の床下は、コンクリートの床もなく、水産卸売場棟の床下には、10センチ程の深さの水が溜まっていました。

ただし、この建物の地下室に溜まった水からは、基準を超える有害物質は検出されませんでした。

この地下水の問題は、共産党の都議会議員団が現場を視察した時に目撃したものですが、案内した都の職員に尋ねると、

「地下水管理システムはまだ稼働していないので、そのための地下水だろう」

という説明をうけたとのことです。

しかし、東京都の本庁では、

「地下水システムはすでに稼働している」

と説明しているので、ここでもまた矛盾と疑問が生じます。

専門家会議と技術会議の件、予算の件、この地下水の件と、どうも東京都の話には矛盾と疑問が多すぎます。

専門家会議からの提案と、それに対する都の空洞化の返答についても、言った言わないの応酬で、なんともすっきりしない状態のままです。

このような東京都側の態度のあいまいさと、これまでの矛盾や疑問を合わせて考えますと、これは背後になにか重大な謎が隠されているのではないか、と疑いたくなりますね。

石原慎太郎元都知事へのインタビューでは、石原氏の言葉は

「しらない・関係ない・聞いていない」

ばかりで、この豊洲市場の建物地下の盛り土の不実行問題には、全く関与していないと言っていました。

石原慎太郎
石原慎太郎

しかし、その後の調査では、この言葉は必ずしも全てが事実とは言えないようです。

この築地移転を決めたのは、石原元都知事で、地下にコンクリートの箱を埋め込む工法への変更を提案していたことが、明らかになってきました

2008年5月30日の定例記者会見では、石原元都知事は、盛り土による工法ではなく、地下構造物の埋め込みの工法について、

「インターネットで見た海洋工学の専門家が提唱していたことを、担当の局長に言った」

と話していました。

地下に箱をおいて、その上に建物を建てるというものですね。

後の石原元都知事の言葉では、

「都庁の役人からそういう話を聞いたから、そのような意見があると取り次いだだけで、全部、下(都職員)や専門家に任せていた。

建築のいろはも知らない私なのに、そんな工法を自分で思いつけるわけがない」

ということでした。

しかし、その当時東京都中央卸売市場長だった比留間英人氏は、東京新聞の取材に対して、

「石原氏からは『こんな工法があるから、検討してみてくれ』という指示を受けた」

と話しています。

石原元都知事はさらに後になって、

「外部の専門家からこういう話があったから考えてくれと、比留間英人氏に言った」

と訂正しているのです。

その都度、発言する内容が変わってくる人ですよね。

さらに石原元都知事は、

「私は84歳になっている。としのせいだ」

と釈明していました。

また後には、

「私の東京都知事在任中の件で、皆様に多大な混乱やご懸念を生じさせるなどし、まことに申し訳なく思っております」

と謝罪もしています。

この

『多大な混乱やご懸念を生じさせた』

のは自分だが、それ以外に特に悪いことはしていないよ、ということなのでしょう。

また、小池百合子現都知事との面会については、

「もちろんいつでも会いますよ」

と言っています。

このあたりの一連のやり取りを見ると、豊洲市場の建物地下全面盛り土から地下室化への工法の変更は、石原慎太郎元都知事の指示によるもの、という可能性が高くなってきました。

可能性が高くなったというより、ほぼ確定に近いのでは?とさえ思ってしまいます。

ただし元をたどれば、そもそもなぜ生鮮食品の市場が、汚染された土壌がある豊洲に決定されたのか、その疑問が残っています。

かなり前から、東京都と東京ガスの間では、しばしば天下りなどがあり、癒着しているのではないか?という噂が絶えません。

東京ガス側から見れば、豊洲の土地売却の話は、渡りに舟というものでしょう。

しかも相手は、東京都というお役所です。

税金で成り立っている所ですから、土地の売却に関して、本気の価格交渉もない気がします。

東京ガスにとって、こんなうまい話は、そうない話です。

ということで、築地移転の移転先は、土壌汚染の豊洲に決定されてしまったということでしょう。

推理小説などでよく使われる言葉として、

「それにより利益を得る者を探せ」

という言葉があります。

築地から豊洲移転の、主な提唱者は誰なのか、それも気になる点です。

その疑問は、これからの小池百合子都知事と、石原元都知事や東京都、さらには自民党東京都議連との交渉で、明らかになるのでしょうか?

今後の展開に期待したいものですが…

 

まとめ

今回は、築地市場移転での建物地下の盛り土問題と、その原因と責任は誰にあるのか?などを見てきました。

ところで、『伏魔殿』という言葉があります。

これは水滸伝に登場する建物ですが、悪魔が隠れ住む殿堂という意味で、転じて陰謀や策略を企む場所をさす言葉でもあります。

東京都は、まさにその伏魔殿の代表格という印象を受けますが、東京都に限らず、国の省庁や地方自治体も、立派にその言葉に値しますね。

東京都には、石原元都知事の偽言や、東京ガスとの癒着問題など、この先に解明してもらいたい『魔』が、沢山潜んでいます。

これらの謎が、もしこの先明らかにされるなら、大変な騒ぎになることは必至ですが、果たしてどこまで程度期待できるものなのでしょうか。