ローマン・ゴンザレスというニカラグア国籍のプロボクサーがいます。

『ロマゴン』

の愛称で知られるローマン・ゴンザレス選手は、日本でも非常に人気の高いボクサーです。

その人気の秘密は、

『とにかく強い!』

からです。

しかし、日本で人気のある外人ボクサーには、マニー・バッキャオ選手や、ホルヘ・リナレス選手、さらにはフロイド・メイウェザー選手などもいます。

その中でも格段の人気があるのが、この『ロマゴン』ことローマン・ゴンザレス選手なのです。

今回は、そのロマゴンはなぜ強いのか。

どのように強いのか、そのボクシングスタイルにあわせて、試合戦績なども見ていきましょう!

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ロマゴンことローマン・ゴンザレスとは?

まず、ロマゴンことローマン・ゴンザレス選手とは、どんなボクサーなのか、簡単にご紹介しましょう。

ロマゴンのプロフィール

本名 ローマン・アルベルト・ゴンサレス・ルナ
愛称 Chocolatito (チョコラティート) 日本ではロマゴン

国籍 ニカラグア
出身地 マナグア県マナグア

生年月日 1987年6月17日(29歳)

現在の階級 スーパーフライ級
身長 159.5センチ
リーチ 163センチ
ボクシングスタイル 右ボクサーファイター
所属 帝拳ジム

ロマゴンの獲得世界タイトル

第16代WBA世界ミニマム級
WBA世界ライトフライ級
第41代WBC世界フライ級
第26代WBC世界スーパーフライ級

ニカラグア人初の世界4階級制覇王者

ロマゴンの戦績

アマボクシング戦績 87戦 87勝 無敗
プロボクシング戦績 46戦 46勝 38KO 無敗

ロマゴンはアマプロを通じて、

133戦無敗

です。

ただし、アマチュア時代には、オリンピックや世界選手権などの、大きな大会には出場していません。

しかも、海外の世界チャンピオンとしては、珍しいことに日本のジムに所属しています

これはホルヘ・リナレス選手も同じです

そんなロマゴンがボクシングを始めたのは、10歳の頃です。

12歳の時には、ニカラグアの英雄アレクシス・アルゲリョの指導を受けました。

アレクシス・アルゲリョは、ニカラグア初のプロボクシング世界チャンピオンとして、壮絶な試合ぶりでニカラグアのレジェンドとなっていたボクサーです。

ロマゴンは、日本では2007年11月3日に、帝拳の契約選手として初登場。

後楽園ホールでエリベルト・ゲホン選手(フィリピン)とノンタイトル戦を行いました。

この試合は、新井田選手との世界タイトルマッチの前哨戦という、位置づけでした。

このゲホン選手は、当時のミニマム級世界王者の新井田選手とも戦っていまして、新井田選手とは善戦の末に破れています。

なので、かなりの実力を持った選手なのです。

そのゲホン選手を相手にした、ロマゴンの戦いぶりは

『驚異!』

そのものでした。

筆者もこの試合をライブでみていますが、左のダブル・トリプルの打ち分けが凄いのです。

左フックを顎に、続けて脇腹への二段打ち、左フックを脇腹へ、続けて顎へ、さらに左アッパーの三段打ち

これが実にスムーズで速く、しかも正確で強いのです。

通常のボクサーなら、ダブルやトリプルでは、いずれかのパンチが外れることが多く、全てのパンチがヒットすることは希なのです。

しかし、ロマゴンの場合は、その全てがクリーンヒットし、しかも凄まじい威力があるのです。

新井田選手に善戦したゲホン選手は、全くなすすべもなく、左の連打のみで1ラウンドKO負けとなりました。

外人ボクサーの日本デビュー戦の印象としては、『ロープ際の魔術師』ホセ・メデル選手や、帝拳のホルヘ・リナレス選手の試合が、多くの人の記憶に残っていると思いますが、このロマゴンのデビュー戦は、その中でも格段の驚異を、日本のボクシングファンに与えました。

この時には、ロマゴンは日本では全く無名でしたが、この試合以降

『ロマゴンは驚異の強さ・うまさ』

『とにかく強い、とにかく凄い!、とにかくうまい!』

といった言葉が、日本のボクシングファンの合言葉となりました。

そして、新井田選手との世界タイトルマッチの予想でも、

『新井田危うし!』

という声が、圧倒的に多くなったのです。

筆者もこの時以降、ロマゴンの大ファンになりましたね。

 

ロマゴンの強さの秘密とボクシングスタイル

ロマゴンのボクシングスタイルは、

ボクサーファイター

とされています。

ボクシングスタイルの分け方は、

ボクサー・ボクサーファイター・ファイター

の3種にわけるのが一般的です。

ボクサースタイルは、長身で足の速い選手が選択することが多く、フットワークを駆使して、ストレートをメインに比較的離れた位置で戦います。

ファイタースタイルは、接近戦での撃ち合いを得意とし、フックやアッパーを多用するスタイルです。

ボクサーファイターは、この両者の中間のスタイル、あるいは両方のスタイルが取れる選手、ということになります。

ロマゴンことローマン・ゴンザレス選手の場合は、一応ボクサーファイターということなっていますが、実はあまりスタイルとは関係なく、どのようなスタイルでも臨機応変に選択できる器用さがあるのです。

とはいえ、直近の試合のように、クアドラス選手に足を使われると、早いラウンドでは追い切れない、というシーンもありました。

なのでロマゴンは、

スピードがある選手は苦手

ということが言えるでしょうね。

 

ロマゴンの戦い方は、柔らかく上半身を動かし、いつ接近したのかわからないうちに、中間距離よりやや近い距離からのコンビネーションを打つ、というものです。

このコンビネーションが、上記のように上下に巧みに打ち分けるもので、

スピード・威力・タイミング全てが完璧

という、恐るべきものです。

それに身体のバランスが非常によく、前のめりにつんのめるとか、空振りして大きくバランスを崩すというシーンは、ほとんど見たことがありません。

ロマゴンは、打たれ強さも半端無く、その上、防御も非常にうまいので、一方的に打ちまくられるとか、打ち負けてふらつくという場面もほとんどありません。

とにかくロマゴンは、

弱点とか死角というものが、全くないボクサー

なのです。

筆者は、海老原選手やファイティング原田選手の時代から、数十年にわたってボクシングを見てきましたが、これほど全てを兼ね備えた完璧な選手は、一度も見たことがありません。

ボクシングには『PFP・パウンドフォーパウンド』という評価システムがあります。

これは、ボクシングの階級(体重別)にとらわれず、一つにまとめて最強の選手をランキングする、というものです。

もちろん、このカテゴリで実際の試合が行われることはありません。

まぁ一つの話題作りということで、アメリカの有名雑誌『リング誌』がランキングを作っているものです。

このパウンドフォーパウンドの2016年4月版では、以下のように有力選手たちがランキングされています。

パウンドフォーパウンドの2016年4月版

1位 ローマン・ゴンサレス
2位 セルゲイ・コバレフ
3位 ゲンナディ・ゴロフキン
4位 アンドレ・ウォード
5位 ギジェリモ・リゴンドウ

6位 テレンス・クロフォード
7位 カネロ・アルバレス
8位 山中慎介
9位 井上尚弥
10位 ケル・ブルック

ボクシングファンなら、ここに登場する全ての選手の名前を知っているはずでしょう。

そのくらい、各階級を通じて、最強の選手ばかりなのです。

日本のボクサーも、山中慎介選手や井上尚弥選手など、おなじみのボクサーが名を連ねています。

その中での第1位が、ロマゴンことローマン・ゴンザレス選手なのです。

しかも、このパウンドフォーパウンドのランキングは、このところずっとロマゴンが第1位を独占しています。

いかに世界的に高く評価されているかの証しですね。

他の選手を簡単にご紹介しますと、ゴロフキン選手はカザフスタンのボクサーで、驚異のハードパンチャーです。

しかもプロアマを通じて、一度もダウンの経験がないという打たれ強さもあります。

カネロ・アルバレス選手は、『紅茶』というニックネームネームを持つ、メキシコの若き英雄です。

ギジェリモ・リゴンドウ選手は、キューバ出身のスーパーテクニシャンで、日本でも山笠選手と戦っています。

動きが見えないほどのスピードとテクニックの持ち主で、オリンピックで金メダルも獲得しているのです。

これらの名選手を押さえて、長くランキングのトップに君臨するということは、ロマゴンがいかに強いかがわかりますよね。

このランキングに、メイウェザー選手の名前がないのは、彼が引退を『一応表明』しているからです。

もっともメイのことですから、その内に『あれはほんのジョークね。またやるよ』とか言って復帰するかもしませんが・・・

このロマゴンが唯一苦手にするタイプは、さきほどもお話しましたが、『非常にスピードがあるボクサー』です。

ロマゴンの日本のリングに初登場した頃の戦績は、うろ覚えですが、20戦全勝18KO勝ちというものでした。

その後、判定勝ちもいくつかありますが、その大半はこの『非常にスピードがあるボクサー』なのです。

日本の軽量級でこのタイプと言えば・・・

そうです!

我らが井上尚弥選手がぴたり当てはまります

もし、このロマゴン対井上の試合が実現したらと思うと、胸が騒ぎ心が躍りますね。

しかも、井上尚弥選手も一撃必倒の強打の持ち主です。

来年暮れには、実現しそうな気配ですが、それまで待ちきれない思いです。

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ロマゴンの試合戦績をチェック!

ロマゴンの試合戦績は、前に書いたように、アマプロを通じて、133戦無敗です。

戦績をプロボクシングに限定しても、46戦全勝、内38KO勝ちという、とてもすごい試合戦績です。

ロマゴンは、日本人選手とも3試合戦っています。

松本博志選手、新井田豊選手(試合当時WBA世界ミニマム級王者)、高山勝成選手(元IBF世界ミニマム級王者)の3人ですが、いずれも完勝しています。

世界戦を中心にした、ロマゴンの戦績をご紹介していきましょう。

ロマゴンが世界タイトルを取ったのは、2008年9月15日で、対戦相手は横浜光ジムのWBA世界ミニマム級チャンピオン新井田豊選手でした。

この時は、新井田選手はダウンはしませんでしたが、ロマゴンの強打で顔がまん丸にふくれあがるほどのダメージを受け、ドクターチェックの末、TKO負けとなりました。

ライトフライ級では、2010年10月24日、WBA世界ライトフライ級暫定王座決定戦に出場、WBA世界ライトフライ級2位のフランシスコ・ロサスと戦いましたが、2ラウンドに3回のダウンを奪ってKO勝ちをおさめました。

そして、まだ多くのボクシングファンの記憶に新しいフライ級タイトルマッチです。

2014年9月5日、大橋ジムのWBC世界フライ級チャンピオン八重樫東選手と戦い、壮絶な撃ち合いの末、9回2分24秒TKO勝ちで3階級制覇を達成しました。

この試合は、2014年度のベストバウトとして、今でも語り継がれています。

スーパーフライでは、2016年9月10日、WBC世界スーパーフライ級チャンピオンのカルロス・クアドラス選手と戦いましたが、このクアドラス選手はロマゴンが苦手とするスピードとフットワークの優れた選手のため、かなり苦戦しました。

ロマゴンとしては、珍しいことに顔が腫れ上がっていたのです。

これはめったに見られない、ロマゴンが明確にダメージを受けた試合でした。

ロマゴンの獲得世界タイトル

第16代WBA世界ミニマム級王座(防衛3回後に返上)
WBA世界ライトフライ級暫定王座(後に世紀王者として認定)
第26代WBA世界ライトフライ級王座(防衛5回後にスーパー王座認定)
WBA世界ライトフライ級スーパー王座(防衛0回後に返上)
第41代WBC世界フライ級王座(防衛4回)
第26代WBC世界スーパーフライ級王座(防衛0)

まとめ

今回は、ロマゴンの強さの秘密とボクシングスタイル、それに試合戦績などを見てきました。

ロマゴンこと、ローマン・ゴンザレス選手というのは、とにかく奇跡のボクサーですね。

これほど穴のない、全てが完璧なボクサーは、これまで見たこともありませんし、この先も恐らく出現しないでしょう。

そうなると、このロマゴンに土をつけるのは誰になるのか?

そんなボクサーは現在の世界にいるのか?

ということが、1番の興味となります。

否が応でも、来年暮れに予定されている井上尚弥選手とロマゴンの試合が待ち遠しいですね!