アメリカの大統領選挙は、予備選挙と党員集会が半ばを過ぎ、7月の全国党大会での大統領候補決定が近づいてきました。

他国の選挙ではありますが、日本はもちろん、全世界に強い影響力を持つアメリカの大統領選挙ですので、我々日本人も強い関心を持たざるを得ません。

この予備選挙では、民主党ではヒラリー・クリントン氏がトップ、共和党ではドナルド・トランプ氏がトップで、クルーズ上院議員との決戦になりそうな気配です。

クリントン氏はさておいて、トランプ氏はその言動が過激なため、何かと世間を騒がせていますよね。

そこで、トランプ氏が大統領になったら、日本や中国、韓国への影響はどのようなものになるのか、また、トランプ氏の発言の真意などを考えてみました。

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アメリカ大統領選挙のシステムを解説!

男性

まず、アメリカの大統領選挙のシステムを、簡単にご説明しますね。

4年に1度行われるアメリカの大統領選挙のシステムは、一応は、直接選挙なのですが、国民が直接大統領候補に投票するのではなく、代議員、または代理人と呼ばれる人々に投票するという、複雑で変わったシステムになっています。

つまり、直接選挙の間接選挙なのですね。

アメリカの2大政党民主党と共和党からは、それぞれ複数の大統領候補者が立候補します。

そしてその候補者を党代表の大統領候補として選ぶのが、予備選挙というシステムです。

アメリカの各州では、代議員・代理人と呼ばれる人々が、自分の支持する候補者を予め表明します。

「私はトランプ氏を支持する」

とか、

「私はクリントンさんの支持者だ」

とかですね。

その代議員や代理人に、予備選挙または党大会で、有権者が投票するという形になりますが、各州により代議員・代理人の数は異なります。

そして、この代議員・代理人の数により、その党の最終的な大統領候補者が決定するという仕組みです。

その後は大統領選挙の本番なのですが、有権者は候補者本人にではなく、各州の選挙人に投票します。

この選挙人も、やはり自分が支持する候補者を、事前に表明しています。

投票の結果による大統領の決定システムですが、これがまた変わっています。

その州の投票では、たとえ1票差でも最多得票となった政党が、その州全体の選挙人の人数すべてを獲得するのです。

『勝者独占方式』と呼ばれているそうですが、なぜこのようなシステムを維持し続けているのか、我々日本人には理解しがたいところですね。

アメリカらしいといえばそうなのですが。

選挙人は全米で538人いますので、その過半数の270人以上を獲得すれば、その候補が次期アメリカ大統領となるわけです。

 

ドナルド・トランプの過激な発言の真意は?

ドナルド・トランプ2

ここからは、もしもの世界の話となります。

もし、トランプ氏がアメリカの大統領となったならば、日本や中国、韓国への影響はどのようなものになるのか、それが問題ですね。

この影響を考える前に、筆者には大きな疑問があります。

それは

「トランプ氏の、選挙戦での過激な発言は、本当に彼の真意なのか?」

という疑問です。

トランプ氏の発言には、メキシコとの国境封鎖とか、難民の排除とか、ローマ法王との論戦とか、日本や韓国を守る必要はないとか、過激発言というより暴言に近い内容のものが多々あります。

これらが全てトランプ氏の真意なのでしょうか?

トランプ氏は不動産王として、巨万の富を築きあげていますが、若い頃の著作には『トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ』というものがあります。

筆者は全文を読んだわけではありませんが、一部の内容を見ても、トランプ氏は非常に怜悧で頭の切れる人物という印象を受けます。

そのように怜悧な秀才が、あのように論理を無視したような暴言を、連発するものでしょうか?

例えば、アメリカが韓国を防衛せず、その結果韓国が北朝鮮の支配下に置かれた場合、アメリカが北朝鮮から受ける脅威は、今の数倍、いや、数十倍となるでしょう。

今でさえ北朝鮮の保持するミサイルは、ある程度の脅威となっています。

それが朝鮮半島全体を北朝鮮が支配したとしたら?

日本の場合も同様です。

例えば、アメリカが日本の防衛から手を引き、その結果、沖縄が中国の支配下となったなら?

中国の支配力、影響力、そして軍事的圧力は今の数倍、いや、数十倍になるでしょう。 

そのような事態は、日本にとっても国家の危機に相当する一大事ですが、アメリカにとっても対岸の火事ではありません。

アメリカが受ける不利益と脅威は、非常に大きなものと思われます。

このような、筆者のような凡人でも容易に理解できる論理が、トランプ氏のような秀才に理解できない筈がありません。

とすると、これらのトランプ氏の過激な発言は、あらかじめ想定していてのものではないか?

という疑問が湧いてきます。

先にあげたトランプ氏の著作では、

「商取引の際は『センセーショナル』になるなど、自分の立場を相手に『知らしめる』ようにする」

などと書かれています。

また、重要な戦略として

『攻撃されればやり返す』

ことや、

『水に落ちた犬は打つ』

こと、そして交渉で成果を上げるには

『広い視野をもつ』

ということも述べていました。

しかも、トランプ氏は、この著作と自分の選挙戦での戦略が、類似していることを認めているのです。

つまり、トランプ氏のあのような発言は、全て選挙のためであり、トランプ氏の真意とは限らないということになりますね。

トランプ氏の最初から綿密に計算し尽くした選挙戦略により、それによる反応も全て想定した上で、あのような過激な発言を繰り返していると、筆者は考えています。

 

トランプ氏がアメリカ大統領になったら日本への影響は?

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ここで本題、トランプ氏が大統領になった場合、日本には、どのような影響を及ぼすのでしょうか。

ただし、もしトランプ氏の発言が、そのまま真意であり、アメリカ大統領として有言実行されれば、という仮定の場合です。

トランプ大統領の日本への影響1 政治面

アジアでの軍事的バランスの破壊に繋がるのではないかと思われます。

アメリカがアジアの防衛から手を引けば、日本としても軍事力の強化をせざるを得なくなりますし、中国や北朝鮮は、さらに軍事力の強化が行われていくことでしょう。

結果として、アジアでの軍事的危機の可能性は、飛躍的に高まると言えそうです。

トランプ大統領の日本への影響2 外交面

日ロ交渉などが制約を受けるなどの悪影響も、避けられません。

対中国、対北朝鮮の外交戦略も、これまでの方針を見直し、大幅な変更を迫られることになるかもしれません…。

トランプ大統領の日本への影響3 経済面

TPP交渉でより多くの譲歩が求められるでしょう。

日本の経済にも悪影響は必至ですから、日本としては、どう立ち回るかが、さらに重要になります。

トランプ大統領の日本への影響4 その他

アジア以外でも、トランプ氏のアジテーションによる、各国の政治的な不安定が広がるかもしれません。

 


というわけで、このままトランプ氏が大統領になってしまうと、日本にとっては良い影響は何一つありません。

しかし、これは前述のように、もしトランプ氏の発言が真意であり、発言通りに政治が行われたという仮定の場合です。

筆者には、もし実際にトランプ氏がアメリカ大統領になった場合、選挙戦での発言を全てそのまま実行するとは、とても考えられないのです。

政策の方向性は発言通りかも知れませんが、実行する政策そのものは、トランプ氏の発言とはかなり変わった形になるだろうと、予測しております。

例えば、防衛費の日本の分担金を増額するよう、要求するなどですね。

 

トランプ氏がアメリカ大統領になったら中国や韓国への影響は?

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この場合も、先ほどと同じ仮定のもとで、予想しています。

中国としては、中国敵視のトランプ氏の発言が、そのまま政策として実行されれば、看過できないでしょう。

しかし、

「貿易関税を引き上げるか、貿易そのものを中止してしまえば、2分以内に中国は崩壊する」

というようなことが、実際に可能でしょうか?

アメリカにとって、中国は最大の貿易の相手国です。

中国にとっては確かに困るかもしれませんが、アメリカの受ける損害も非常に重大でしょう。

ゼネコンが権力を持っているアメリカで、そんなことが簡単にできるわけがありませんし、あの怜悧なトランプ氏が実行するとも思えません。

しかし、もしそれが実行されたら?

あまりそのような事態は考えたくありませんね…。

中国がどうなるかもそうなのですが、日本にとっても、日本という国の存続に関わることですから…

これは、同じように韓国についても言えることです。

むしろ、韓国にとっては、トランプ氏の政策が実行されたらたまらないでしょう。

アメリカが韓国防衛から撤退すれば、中国とも犬猿の仲で、なおかつ北朝鮮と敵対している韓国ですから、1、2年の間に、国そのものが滅んでしまっても不思議ではありませんからね。

ここまで、仮定の話をたくさんしてきましたが、筆者としては、これが仮定のままであることを、ただただ祈るばかりです。

 

まとめ

今回は、何かと話題になる、アメリカ大統領候補のドナルド・トランプ氏について、彼の発言の真意や、もし実際にアメリカ大統領となった場合の、日本、中国、韓国への影響を見てきました。

これは何度も繰り返しますが、もしトランプ氏の発言通りに、政策が実行されたという仮定の場合です。

そして筆者には、トランプ氏の発言はあくまで選挙戦略によるもので、真意と大分異なるのではないかという、強い疑問があるのです。

トランプ政権での対外政策は、現在のオバマ政権と同じということはないにしても、根本からの変更ということも、可能性は低いでしょう。

なので、日本、中国、韓国への影響は、上に書いたような深刻なものではないであろうと考えています。

いや、そうであってほしいと、願うばかりです。